年の瀬を迎え、日頃よりたねとしずくの活動を支えてくださっているみなさまに、心より感謝を申し上げます。
今年は、すべての事業において、少しずつですが連携が形になってきた一年でした。
訪問支援では、養育がしんどいご家庭に、家事や子育て、学習、絵本の時間を届けています。スタッフとともに学生が訪問に入ることで、こどもだけでなく保護者の方の表情もやわらぎ、「一緒に来てくれてうれしい」という声をいただくことが増えました。
ひとり親家庭の不登校の居場所では、多年齢のこども達が学習や体験活動に取り組む姿が見られるようになっています。新しく来た子が自然に溶け込めるようにそっと声をかけてくれています。放課後の居場所では、中高生のユースたちが自分たちで企画を考え、運営し、新しく来る子が安心して過ごせるよう工夫し始めました。家庭で食事の用意がない子も来てくれ、ごはんを囲む時間には自然と笑顔が広がります。食の大切さを、日々実感しています。
児童育成支援拠点では、小学生低学年から高校生までが集い、昨日の最終日にはみんなで大掃除をしました。寒い公園から帰ってきて、お風呂で体を温め、ごはんを食べてほっとする――そんな「当たり前の安心」が、少しずつ根づいてきたように感じています。家庭に帰るのがしんどい子を見送るとき、心が痛むこともありますが、また来てくれる場所を開き続けたいと思っています。
すべての事業を通して感じるのは、こども達は逆境の中にあっても、懸命に成長し、自分の喜びを探し続けているということです。安心できる場所を求め、そこで生きようとしています。この場所を開き続けられているのは、日頃から活動にご理解を寄せ、ボランティアやご寄付で支えてくださるみなさまのおかげです。心より感謝申し上げます。
来年1月11日から、マンスリーサポーターの募集が始まります。すでに支えてくださっているみなさまに、この輪を広げる力をお貸しいただけたら幸いです。
みなさまにとって、来年も穏やかであたたかな一年となりますように。
代表理事 大和陽子

